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☆だんごぷち☆

特別展ネコの種数について おまけコラム付き

最終更新日:10月5日

woodlice.hatenablog.com

Une exposition de chats se tient actuellement au Musée d'histoire naturelle d'Osaka*1, c'est donc un article en japonais pour les Japonais.

今回の記事は、

woodlice.hatenablog.com

の記事の続きです。

 

※ねこからのおちらせ 「です」を全部「にゃ!」にかえてよんでにゃ♪

 

今回のネコ展では世界で認識されているネコ科の種数を用いずに「特別展で展示する種数」について「個人的見解で支持する数」を「野生のネコ科41種」とし*2イエネコを含めて「ネコ科42種」の展示が行われているそうです。

 

特別展講演会見逃し配信:

特別展講演会「ネコ科動物の柔軟な生き方~所変わればネコ変わる」 - YouTube

8:07/1:36:25 ここで、伊澤氏( 北九州市いのちのたび博物館 館長)は
ネコ科41種全部見せます」というのが1つの大きな目標になっている

野性ネコのみ:九州
野性ネコ+イエネコ:名古屋「ネコ科40種全部見せます」が謳い文句
ここに新しいネコが加わってネコ科41種」になりました。

 

と言及されていますが、正しくは「野生ネコ科41種」のミステイクだったようです。

Xキャプチャ画像 F##

また、コロコロについては国外で「:亜種ではありません」を区別する論文が出ている事を両名並びに和田学芸員もご存じなかったようで、大阪市立自然史博物館から友の会会員宛に発行されたNature Study 2024-7.P6(表1 世界の野生ネコ科動物41種の系統と分布域)の表タイトルに誤文が見られます。表1のタイトルは、正しくは「特別展におけるネコ科42種の系統と分布域」となるはずです。そしてイエネコ系統のところへ「イエネコ」を追加すればこちらのレポートは問題ないでしょう。

Xキャプチャ画像 F##

国内のみで研究をしている(話をするのも日常的に日本人ばかりである等)と、どうしても国外で行われている研究について抜け落ちてしまいがちです。

例えば、日本版Wiki*3は2006年で更新が止まっていますし、英語版Wiki*4も2016年度で更新が止まっています。また、今回中西学芸員が「種」について参考にされた論文は2017年度のものでした。

Xキャプチャ画像 F##

しかし、国外では既に2020年度の研究報告も含め

とありますから「世界の」とする場合に、コロコロの「種」についてどう考えられているのかお聞きしたところ2017年度から3年後の2020年度あたりにおける見解については

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支持する・支持しない」いわゆる「研究者間における意見の相違」という事で2023年度までの論文すべてに目を通したわけではないので今のところはどうしていいのか分からない?為、コロコロにおいては5種をひとまず1種にした状態で保留という事になっているようです。

Xキャプチャ画像 F##

特別展をする前に本来であれば少なくとも2023年度までの論文には目を通しておいて下されば良かった感が強いのですが、純粋な研究職ではなく学芸員という職務上、今回の特別展ではそこまでの配慮がなされていなかった(手がまわらなかった:論文を探したり読む時間がとれなかった)のは残念ですが仕方がありません。

Xキャプチャ画像 F##

従って、2017年度から国外でコロコロが5種であると認識されつつある3年という期間が長いのか短いのかについては研究者間で個人差がありますし、3年という期間を1日で処理できるのか、もしくはそれ以上かかるのかも個人的な能力や研究環境等の問題もあるので今回は致し方ない感じです。

以上より、特別展にお越しになられるみなさまのご意見は今回の展示で反映されるのか?について考察させていただきましたが、かなり難しそうだという事も分かりました。

Xキャプチャ画像 F##

世界の野生ネコ科の種数については「個人的見解色強め」なので、今回の特別展では無視するか、こちらのページで記載させていただいた「特別展で展示されるネコ科の種数は42」でOKです。

展示された展示物については、折りたたまれたシワのついた剥製をそのままの状態できれいに引き延ばす事なく展示されているものもあるらしいので「死」に対して体調が悪くなる方は手のひらに「死」って書いてパクッと?まあ、気合をいれて「ぇぃ!」と来てみると案外大丈夫なのかもしれませんね?*5

剥製は生命の模倣とも呼ばれているもので、それらの人工的なモデルを通して自然を学ぶことは残念ながら出来ません*6が、今回発見された新種のネコは博物館にある剥製(調査対象範囲約10%程度)が野外で得た遺伝子調査を確定するものに役立ったと研究者達は言及しています*7から、遺伝子情報だけ野外で集めても何か固定された比較できるモノがなければ、今回の新種ネコ発見にはつながらなかったということを考えると、剥製の凄さが実感できますね!

今回の特別展では、そういう新種のネコ発見につながるような状態のいい剥製や骨格標本を観ながら「見比べて楽しむ」事に重点がおかれている?為、ネコ同士の剥製や同じ部位の骨同士を個体別に「大きさ、形状、骨のあるなし」等を比較しながら観て楽しむというスタンスであれば、きっと忘れられない特別展になる事間違いありません。

今回大阪で開催されている特別展は国内最大規模!

この特別展を見のがすと?研究者の方々が最新の注意を払って行っている種の確定をする為の「見比べる楽しみ」入門編を二度と味わう事ができなくなると思います。大阪は商人の町。前売券も豪華絢爛でした。今回展示されている種数も限りなくワールドです。もしこの特別展に行こうかどうか迷っている方がいらっしゃれば、個人的には間違いなく「おススメ!」させていただきます。

第一の理由は猫大先生の間違いを猫中先生がすぐに訂正なさったことです。すばらしい職場環境があるところで大切に保管されている剥製たち。見どころ満載のはずにゃょ!

最後に

1980年代以前に制作された剥製には「ヒ素」「水銀」が使用されているものが多く*8、それらの注意書きも今回の特別展では省略されているようなので、こちらで少しご紹介させていただきますね。

ヒ素は運搬の際にも飛散する有毒性の高い毒物です。

小さいお子さまがいる親御様は必ず特別展の中では手をつなぐなどしてお子さまが床に落ちた白い粉などを舐めない、安易に剥製に触らないなどの注意が必要です。

edition.cnn.com

国内でこのようなニュースを聴く事はあまりありません。あっても論文か狭義な分野で発行される雑誌で目にするくらいでしょうか?小さいお子さまを自然史系の博物館でハイハイさせたり手をつながず目を離すのはとても危険の伴う行為?です。ご注意下さいね。

jglobal.jst.go.jp

cir.nii.ac.jp

という予備知識をつけた上での、ネコ展!

考え方によっては危険と隣り合わせ?ではありますが、予め「すべての剥製が安全なわけではない事」も理解した上で鑑賞する剥製は壮観だと思います。剥製は芸術と科学の集大成です。

こちらにいらしてるみなさま、いろいろな意味でどうぞネコ展おたのしみくださいね~!

限定グッズもいーっぱいあるんにゃって!狩らねば!見どころポイント再チェック!

★毛皮の触り方(基本編)

1)ハンドクリームを塗った手、汗ばんだ手、なにかべたついている手は、毛皮を触る前に一度水洗いしましょう。

2)毛並みの方向へさわる(髪の毛だと上から下へ、ですね)ようにします。

3)触る=なでるかんじです。引っ張ったり、叩いたり(圧迫)してはいけません。

クラウドジャガーネコあどけないお顔でかわいいですね!展示会の写真も必見!

★コロコロは5種いるうちの1種です。お顔はにゃんこですが、走り方が独特ですね。

★なんと・・・!数が少ないのに、さらに交通事故で・・・超希少種なのに・・・

特別展講演会「ネコ科動物の柔軟な生き方~所変わればネコ変わる」 - YouTubeより

日本のヤマネコの食性の話も沢山出てくるからネコ展に行く前には必ず見にゃーと!

*1:大阪市立自然史博物館 https://omnh.jp/

*2:

X @tharano34 より

上記回答は、私の質問に対する最終的なネコ中先生からのご回答です。に対して、こちらからもお礼の回答を入れさせていただいています=ブログでご紹介中。

ちなみにHarano T様は、

ネコ亜科:イエネコ系統:

ironna-blog.com


には、ハイイロネコ、イエネコ、ジャングルキャット、リビアヤマネコ、スナネコ、クロアシネコ、ヨーロッパヤマネコが含まれるので、イエネコだけをわざわざ外して個人的な見解でまとめる事に関しては意見がわかれるところでしょう、とおっしゃっています。みなさまもご参考になさってくださいね。


*3:ネコ科 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B3%E7%A7%91

*4:Felidae https://en.wikipedia.org/wiki/Felidae#cite_note-Li_al2016-47

*5:10月5日追記:最終会場 鳥取県立博物館開幕前にも猫ちゅ先生に「皆様が不快に感じた部分の修正」をお願いしましたが、最後のさいごまで実現出来なかったようです。残念ですが、仕方ありません。何か配慮が欠けた部分が見られる展示物やSNS上の不適切な発言並びにポストなどに関しては「応援」という形で暖かく見守るしかなさそうです。F##はがんばってかなり何度もお伝えしましたが、無理でしたw ちかたないよね~。みんにゃわすれよ~。一番大切なのは、猫ちゅ先生もみなさまも心や身体をこわさないことにゃね。秋も深まりをみせ、過ごしやすい季節になりましたね。こちらにおこしのみなさまにおかれましては、身体に気をつけてどうぞよい1日をお過ごしくださいね。20年後、猫ちゅ先生がどこかの大学の教授になって特別展やりたい!って思った時は、大阪展のいろいろを思い出して、今回どうにもならなかった部分をどうかしたほうがいいでありましょう。心してにゃっす!

*6:The Display Case: A Reflection on Taxidermy in Natural History Museums https://sites.lsa.umich.edu/crossroads/2024/03/14/the-display-case-a-reflection-on-taxidermy-in-natural-history-museums/

*7:Ecological modeling, biogeography, and phenotypic analyses setting the tiger cats’ hyperdimensional niches reveal a new species https://www.nature.com/articles/s41598-024-52379-8

*8:古い剥製について https://wdm.ca/2020/07/27/the-dangers-of-old-taxidermy/